小学校の教員から民間企業・キャリアコンサルタントへ

身近にいそうな誰かの人生観をはじめとしたキャリアストーリーをお届けするインタビュー記事。第七回は、小学校の教員からキャリアをスタートし、現在はキャリアコンサルタントの資格を取得してキャリア支援業務を行なっている小田切咲さん。教員時代のお話から、転職するに至った経緯や考え方について語っていただいた。

 

音楽との関わりがわたしの始まり

 

ふと気づいたら音楽と共に生活していたような感じ。両親がピアニストで・・・なんていうことはなく、習い事の一つとして3歳からピアノを習っていました。

小さい時は自宅の鍵盤が足りないキーボードで練習しながら、毎週先生についてレッスンを続けていました。

 

 

中学校では音楽の幅を広げたい思いがあり、吹奏楽部に入ろうと決意。中学では全国大会常連校の隣の区域の学校に入りたかったんですが、学区外ということで親に許してもらえず(必死さが足りなかったかな笑)・・・

 

部活ではトロンボーンを担当していました。ですが、入部のときの第一希望はフルート。トロンボーンは第四希望だったかな。

 

やってる人もあんまり多くなかったので、吹き方を自分で調べて、知ってる人を探して、少しずつ上達していくのが実感できたのもよかったです。

 

 

高校は念願が叶って吹奏楽部が盛んな学校に入って…楽しかったですね。

その高校を選んだポイントは・・・

①大会で銀賞以上を取ったことがある、

②毎日練習できる

③部員同士の雰囲気がいいこと

この3つです。実績があって、レベルアップできて、この人たちと一緒にやりたいと思える環境……ここは妥協したくなかったですね。

 

 

 

想い出に残っている先生は、小学校4年から6年まで教わった音楽の先生。

単純に楽譜の読み方や弾き方、歌を教わるだけじゃなくて、ユーモア溢れる授業をしていました。たとえば『春の歌』のメロディーを残して自分で歌詞を考える授業。

教室の外に出て、学校中を歩いて“自分が感じる春”をテーマとした新しい歌を作ってください、みたいなことをやっていました。

ある時は、国語で学んだ『かさこじぞう』の場面ごとの情景を音にして、「雪の音をピアノで表現してください」とかね。

 

正直、音楽の時間って興味がもてない、やんちゃな子からするとただの休憩時間だったりするんですよね。

昼休みに向けて体力を温存しとく時間というか。でも、その先生の授業はわんぱく少年たちもぐっと惹きつけて離さない時間でした。

 

オトナの物差しでなくって、子供が興味を持つような時間。身の回りにある音楽、音と生活を結びつけてくれる授業がホント面白かったです。

 

 

 

小学校の教員としてのキャリアスタート

 

“なりたいもの”でいえばずっとピアノの先生。中学2年生の頃習っていたピアノの先生から「咲ちゃんはピアノ好きよね? 音楽も好きでしょう? でも音大に行くのは……どうかなあ」って。

 

先生は小さいときから私を見ていて、私の性格とか把握して「音楽」のみを学んで行くのは退屈になってしまうと判断した上での言葉でした。

多くの生徒さんを見てきた先生だからこそ、性格や、その後のそれぞれの生活やピアノとの向き合いかたを考えた上でのアドバイスだと思うので、ストレートに言ってもらってよかったです。

 

よし。じゃあプレイヤーじゃなくて音楽の先生になろうと。

小学校で教わった音楽の先生のような色んな子供たちでも楽しめる授業をしよう。

音楽は好きだから、好きなものを人に教えるのもきっと好きなはず。

経験は当然ありませんでしたけど、そう思ったんです。

 

ただ紆余曲折あり大学時代に教育実習で出会った指導教員の言葉や自分で考える中で、教員になるなら音楽専門ではなくて、全教科を教える小学校の先生になろうと、2018年3月までは都内の公立小学校で教員をしていました。

 

 

過去形なのは転職をしたからですが、教員生活がイヤになったわけではないんです。

他の教師や保護者から、沢山のことを教わり、そして何より子供たちと過ごした日々は今でも仕事をする上での素地となる考えです。

また教師という仕事に誇りを持って取り組んでいた自負はあります。

 

ただあるとき、指導要領は変わっていくのに、それを伝える人である私や、場所(学校)が変わらずに教え続けることに疑問を持ってしまいました。

あるがままを受け入れられればよかったんでしょうけれど、なんというか素材(教える内容)が変わらず調理方法(教科指導法)だけ変わって同じメニュー(教えること)を出すというのは、私がやりたいことではないかなっていう違和感があって。

もちろん小学校という学びの素地を作る中では大切だと思います。

現在の1クラス上限では一人一人に寄り添うって限界を過ぎているとも感じました。

集団を引っ張るタイプでもないし、担任となって前ならえ、ギュッと手綱を締めることに見出だせない中で、「私がここにいていいのだろうか?」と思ってしまったんです。

 

社会人1年、2年で何を言うかと思いますが、自分の考えとかけ離れていることをやっている、中途半端な状態がどうしても許せず……そのときの自分にとって完璧なものを求めたんでしょうね。

 

 

学校教員からキャリアカウンセラーへ

 

そこで改めて自分がどんな人間になりたいかを見つめ直したんです。

一歩先に踏み出したいけどモヤモヤを抱えている人、これまで積み重ねてきた経験値だけで語るんじゃなくて、誰が聞いてもわかるように、ロジカルに理論的に人にアドバイスできる人になりたいと思うようになりました。

 

そこから《キャリアコンサルタント》という仕事や資格に興味を持ち、社会人1年目の12月から翌年8月まで資格の専門学校に通い、四角を取得しました。

仕事もあったので通うのは毎週日曜日の9時~18時ぐらい。いろんな人がいてすごく楽しかったですね。

人材紹介の営業さん、企業の新卒採用担当、リタイアされた後のセカンドキャリアとして学びにきている人、その他色んな方々と学びました。

 

親ぐらいの世代で「就職して仕事してから楽しいことなんてない」みたいな話をする人、結構いるじゃないですか。

でもそれってゼッタイ嘘だと思うんです。前向きな言葉を前向きに伝えるのがカッコ悪いことだと思ってるのか恥ずかしいのか知りませんけど、そんな言葉を聞くたびに、夢を現実にする人、目的を持って毎日を生きる人が増えたらいいなと思いました。

 

今後は、卒業した大学でキャリアカウンセリングをやってみたいな、と思っています。「学校の先生or民間企業で働くかを迷っている人」に向けて、いまの違和感を聞いた上で「これからの道」をお話できる、そんな人に

 

資格取得後は、それをフックに転職を

 

そして、この春から第二新卒・既卒に特化した人材紹介のベンチャー企業で、人材コーディネーターとしても働いています。

 

私は周りと議論しながら、考えながら働きたい。会社では裁量を持ってしっかり働きたい。

結婚もして、子育てもして、たくさんの人と会って、これから先に待ち構えている数えきれないほどの「選択」に、キャリアコンサルタントの資格や経験を役に立てられればと思っています。

 

仕事がすべてではないにしても、なくては生きていけない以上、仕事や働き方にこだわるのは当然のこと。

それこそまさにキャリアですよね。キャリアコンサルティングやインタビューを通じて、選択をするときの悩みや乗り越え方を聞き、悩んでいる人に届けたいと思っています。

 

そしてまたそんな人生の分岐点に立ったとき、私が差し出す手やかける言葉がその方の人生にとって少しでもプラスになればうれしいです。