デザイナー・コピーライターの経験を経てたどり着いた、独立キャリアコンサルタント

身近にいそうな誰かの人生観をはじめとしたキャリアストーリーをお届けするインタビュー記事。第18回は、デザインやコピーライターとしての顔を持ちつつ、今はフリーランスとしてキャリアコンサルタントの仕事もこなしている  よしだ かな さん。学生時代のデザインの経験から、多くの会社を経て独立に至った現在までのキャリアについて語っていただいた。

 

デザイン」と「言葉」の間で試行錯誤する日々

 

母親の仕事の関係で、小さなころから美術に囲まれて育ったことから、美術大学附属の中学・高校に進みました。

授業に加えて美術の課題があったのでとにかく忙しくって……。みんな真剣に取り組んでいましたし、絵画やデザイン、デッサンなど、とにかく課題との戦いでした。

 

かなりおとなしめの高校時代でしたが、そんな中、ロックの歌詞に惹かれて文章を書くことに興味を持つようになりました。特にインパクトがあったのが甲本ヒロトさんかな

「カッコ悪くてもダサくてもいい」「ドブネズミみたいに美しくなりたい」みたいな逆転の発想が本当に衝撃的で、自信がなかった私でも「これでいいんだ」と思わせてくれた《言葉の力》に惹かれるようになりました。

 

それがきっかけで、自分も《言葉の力》で何かを伝えたいと、高校3年になってから進路変更を決意。受験の準備はしていなかったので、推薦枠を使って芸術学部の文芸学科に進みました。

 

私が進んだ文芸学科は「文芸創作」と「文芸批評」に分かれていて、私は文芸批評を選びました。文芸賞に応募したり、小説家を目指している人が多い中で、そもそも私は同級生たちほど情熱があるだろうかと感じはじめて、文芸創作から逃げ腰になった感じです。

 

就職活動のときもクリエイターとしての想いが強い人がまわりに多かったので、一般的な就職活動をする人が少なく、私も正社員にこだわった就活はしませんでした。

 

でも、唯一行きたかったのがロッキング・オン! 大好きなロックと大好きな文章を組み合わせて仕事するにはここしかないと思っていたんですが……門は狭かったですね。結局、卒業後はアルバイトをしながらデザイン学校に再度通い、デザイン事務所でデザイナーとして働くことになりました。

 

 

コピーライターとして働く中で、興味を持った「人事領域」

 

入社してすぐに大手広告代理店の案件を担当するなどしばらくは楽しかったのですが、経営状態が悪化して退職。

 

転職活動中に大きな転機となる出来事がありました。

それは、志望理由書を見た広告代理店の方に「コピーライターの方が向いているのではないか、コピーライターとして採用したいから30分考えて」と言われたことです。

それまで考えたことが無かったためお断りしてしまいましたが、だんだんと「コピーライター」という職種を意識するようになったんです。

 

そこで、とある不動産系事業会社のクリエイティブ部門に、デザイナー兼コピーライターというレアなポジションがあったので転職することになります。

そこでは物件の折り込み広告・パンフレット・交通広告・企画書などのデザインやコピーライティングをしていました。新しくできるマンションのコンセプトを作ったりしてかなり面白かったですね。

 

なんでもっと早くコピーライターにならなかったんだろうと思ったくらい、書くことは、デザインよりも「自然にできる」ことでした。この経験から、自分がやりたいことだけにこだわるのではなく、人から褒められることや、不意にやってきたチャンスも大切にするようになりました。

 

その後、WEB制作会社のライター業務を経て、大手広告代理店のグループ会社である、総合広告制作プロダクションで働かせてもらうことになりました。

派遣社員でしたけど、名刺を持たせてもらって一人でクライアントにプレゼンをしたり、それまで自己流だったコピーライティングも、ベテランのコピーライターにみっちり“コピーの基礎”を教えてもらいました。

 

そこで正社員になりたい想いはあったのですが、自分はコピーライターとしてのスタートが遅く、大企業のように業務範囲が限られがちな職場は自分には向かないかなと。

それよりも、もし今後独立することになったときに生きていけるスキルを身につけることを優先しようと考えて、スキルを磨くためにベンチャーの制作会社で働くことにしました。

この会社で主に担当していたのが新卒採用のプロモーション。クライアントが人事部の方だったこともあって、だんだんと人事領域に興味を持ち始めました。

採用したもののすぐに辞めていってしまう学生たちの姿を見ていると、企業理念や経営計画、カルチャーとリンクしている採用や、企業ブランディングが大事だなと確信するようになりました。

 

そこで産業カウンセラーやキャリアコンサルタントの資格を取るなど勉強もしながら、人事領域が得意な経営コンサルティング会社のクリエイティブ部門に転職し、そこではインナー/アウターの双方から企業ブランディングの仕事をしていました。

企業スローガンや行動指針づくり、理念浸透のプランニングなど、本当にたくさんのことを学ばせていただきましたが、将来を考えた結果独立することになります。

せっかく独立するならコピーも書きたいしカウンセリングもやりたい。いままでやってきたことを全部集約して仕事につなげたいと思ったんです。

 

 

独立後は、今までの経験とスキルを総動員

 

独立してからは、プランニングとコピーライティングの他に、採用ブランディングや社内外広報という軸で中小企業のサポートを始めています。大手の広告代理店やコンサルがやりきれない、ベンチャーや中小企業のコーポレートコミュニケーションのお手伝いがしたいですね。

 

コピーライティング・コーチング・カウンセリングスキルを総動員できるところが私の強みですから、想いや意志、ビジョンやミッションなど、企業の存在価値のエッセンスを掴み、言語化し、社内外に伝えることで貢献していきたいと考えています。

 

また、理念浸透の一環として、研修や1on1などの領域にも仕事の幅を広げていきたいです。

 

これまで、倒産やリーマンショックなど偶発的な理由もありましたが、スキルを磨く・足りないところを学ぶという視点で多くの転職をしてきました。

大変な道ではありましたが、独立した今思うことは、これまでの経験やスキルを組み合わせたり掛け合わせることで、役に立てるフィールドで、自分らしい仕事を生み出すことができるということ。それは、働き方を始め、変化の激しい世の中を生き抜いていく上で、とても有益なキャリア形成だったのだな、と思います。

 

ですからキャリアコンサルタントとしても、目標達成はもちろんですが、必ずしも理想の将来からの逆算ではなく、「偶発的な出来事や転機も含め、すべての経験を正解に変えていく」という形でのキャリア構築もサポートしていきたいです。

 

迷いや困難も、将来の自分から見たら宝物の経験になるように。

 

 

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