仕事に悩みながらも、人に相談することで見出せた自分の軸

身近にいそうな誰かの人生観をはじめとしたキャリアストーリーをお届けするインタビュー記事。第21回は、会社での仕事で悩みながらキャリアコンサルタントの資格取得に励んでいる河野 英知さん。苦労した学生時代から、前向きにキャリアを考えることができるようになった現在までの経緯を語っていただいた。

 

人の顔色を伺うクセがついた学生時代

 

公立高校に通っていたころの自分を振り返ると……いろいろと思うところがありますね。人当たりはいいけどまわりの顔色を伺うように生活していて、学校では明るくふるまっていながらも、「本当の自分って?」と思い悩んでいました。

 

父親が仕事を辞めたり働いたりを繰り返して、顔を合わせれば母親とケンカばかり。そんな家庭環境だったことも関係していたかもしれませんね。

 

高2のときに親が離婚して、家族のいざこざから離れられたことと、お医者さんから「自分のために生きなさい」と言われたのがきっかけで気が楽になりましたが、根本的な性格は変わりませんでした。自分がいる場所の空気を読むことに徹していたので、自ら積極的に話しかけていくよりも人の話を聞いていたいタイプでした。

 

大学に関しては少しでも学費を抑えたかったので、国公立に絞って勉強していました。高校時代もそれなりに頑張っていたので、推薦で和歌山大学の経済学部に入学。高校の推薦枠がある中で国公立が和歌山大学しかなかったことから、他の選択肢は考えず一択でした。

 

 

興味があることよりも”人”で選んだ就職活動

 

しばらくは実家から1時間半かけて通っていました。大学側が家の経済状況を鑑みてくれて、一般的な学費の半額ぐらいになったのはありがたかったです。

 

もちろんアルバイトもしていましたよ。何か面白いこと、人と違ったことをやりたかったので、居酒屋やコンビニではなくスポーツクラブに応募したところ、ボクササイズの担当になってインストラクターをしていました。そんなことからヘルスケアや健康関連の会社に興味がわき、就職活動では製薬会社や食品会社を受けていました。

 

最初はMR(薬についての知識や情報を医師や薬剤師に提供する製薬メーカーの営業担当者)のインターンシップや、病院の先生の“出待ち”をして話す機会を作るなどしていましたが、だんだんとMRがイメージと現実とのギャップが大きくなり、選考も連戦連敗。

 

相手の会社がどんな人材を求めているかを分析せず、質問に対して本音で答えすぎたのがよくなかったのかなと反省しきりでした。

 

それでもなんとか大学3年の春前に製薬会社から内定もらい、気分がぐっと楽になったことで、どの会社が自分に合いそうか本腰を入れて考えるようになりました。内定をもらった会社には申し訳ないですが、数撃ちゃ当たる的な就職活動だったので、これもまた反省したポイントですね。

 

その後、友人が「いい会社あるよ」と教えてくれて出会ったのが、いま勤務している会社です。親身になって話を聞いてくれる社員の姿勢に好感が持てましたし、内定前から現役社員と交流できる場をセッティングしてくれるなど、新卒学生に向けた期待感が伝わってきました。

 

仕事内容は機械工具の卸売なので、これまでアプローチしていた分野と全然違いますが、食品や製薬という分野について特に思い入れはなく、自分の中では就活は納得いくカタチで終わったので不満はまったくありませんでした。

 

 

仕事で悩んで上手くいかなかった負のスパイラル時期

 

入社後まずは仙台支社の倉庫に勤務することになりましたが、会社からの評価があまりよくなかったこともあって「このままじゃいけない!」とビジネススクールに通ったり、英語の勉強をしたりなどしていました。

 

ただ、だんだんと学びを活かして何かをするのではなく、勉強することそれ自体が目的になってしまって会社や友達付き合いも悪くなり……。時間を費やして勉強したことが仕事に活かされず、はたして自分の選択は合っているんだろうかと悩み、さらに焦るといった悪循環にハマっていました。

 

その後、福島県の郡山市に異動になり、部署も変わって営業として働きましたが仕事は思い通りにいかないですし、会社の外での学びも身になっていなかったのでネガティブなスパイラルに。。。

 

当時の上長に部署替えをお願いしたものの、挫折したように思われているのではと劣等感に苛まれたりして、会社から逃げたいという気持ちが強かった時期です。

 

 

キャリアコンサルタントに相談して一気に晴れた視界

 

そんな郡山市から結果として異動することができ、厚木に異動しました。

 

これをきっかけに一念発起し、勉強ではなくまずは目の前の仕事に集中して取り組むように心がけました。

 

仕事には理想と違う現実があります。会社の外で得た知識や学びを業務上の提案に活かしたり、組織運営に使うことばかりを正解としていましたが、今までのこのやり方ではうまくいかない、と感じていたので、仕事への専念に割り切れるようになったんだと思います。

 

そんなときキャリアコンサルタントをやっている知人に相談して、仕事軸とプライベート軸を完全に分離して考えられるようなりました。「仕事と何か一つをプラスアルファとして続けるとか、物事を長い目で考えれば焦りはなくなると思うよ」という言葉にハッと気付かされました。

 

一つに絞らなくていい。軸を二つ持って、そのどちらかをやっていけばいい……それってつまり「ダメでもいい」ってことですよね。

 

これまではきっと「完璧」を自分に求めすぎていたんです。焦らずやりたいことを自分のペースでやればいいと思えたことで、目の前の霧が一気に晴れました。

 

 

色々な人のキャリを見て気づいた「自分の評価軸」の大事さ

 

この時期に知り合った人はとにかくインパクトが大きかったですね。会社を辞めて世界中を旅した後にインドネシアに移住した人や、脱サラして沖縄でダイビングスクールを運営している人など、2人とも仕事の体裁に対して固執しておらず、楽しく過ごしているのが伝わってくるんです。

 

自分にとっての「楽しい」を突き詰めている人は、世間的な常識を自分の将来に当てはまることなく生きています。他人の評価軸だけで暮らしてきた私にとって、初めて自分の評価軸を中心として生きていこうと思えるようになりました。

 

仕事に少しずつ余裕がでてきたところで、キャリアコンサルタントの勉強を始めました。元々人の話を聞くのが好きなのと、自分が悩んできたことの整理や自分の自信につながると思っています。

 

本業の仕事については、キャリアコンサルタントの資格が取れたら部署異動を希望しようと思っています。営業ではなく、本社部門や人事総務採用なども興味あります。

 

無事に資格が取れたら、「CAREER PLANTS」などのキャリア相談サービスに参加させてもらって、無理しない範囲からキャリアコンサルタントとしてのキャリアを積んでいきたいですね。いまは会社が副業を許していないので制限がありますが、ゆくゆくいろんなことをやれるようになったらうれしいです。

 

あと趣味も大事にしたいと思っています。いまの僕でいうとギターかなあ。

 

沖縄の友達のところにギターを抱えて遊びにいく計画を立てていますよ。いままでは趣味を価値がないものとして見てたんです。知識にもならない、仕事にもつながらないみたいな。

 

当時の自分に言ってやりたいですね、「いまのおまえだいぶ笑顔だぞ」と。

 

私自身、仕事がうまくいかない時期にどうすればよいかを模索する中、キャリアコンサルタントへの相談や人のキャリアを参考にすることで、自分自身にとっての幸せを見出すことができました。

 

人は変われます。自分ができることベースで、無理せず、焦らず、ゆっくりと自分の“これから”を探していきましょう。